2011 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ型統計モデルに基づく経済成長の要因分析法の開発とその応用
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21530193
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
姜 興起 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70254662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 英雄 山形大学, 人文学部, 准教授 (90347724)
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Keywords | ベイズ統計モデル解析 / 平滑化事前分布 / 経済時系列解析 / 構造変化 / 動的生産関数 / 失業の構造分析 / 全要素生産性 / 経済成長 |
Research Abstract |
本研究の目的は、経済システムの構造変化のダイナミクスをより精確に表現する統計モデルの構築とその応用である。経済システムの動的特性を捉えるため、我々は、時間的に変化可能な時変パラメータをモデルに導入し、平滑化事前分布を用いたベイズ的アプローチによってパラメータの推定を行う。結果として、直接観測できない経済構造の動きを詳細に把握し、従来の研究で見逃されていた新たな知見の獲得が期待できる。 平成23年度の上半期は、これまでの動的生産関数のモデル構築・推定の研究を深化させ、パラメータにおける急激な変化の検出法を開発した。これはベイズ型モデル平均法とランダム・グルピーン法を組み合わせた新規提案法であり、中国の経済成長分析に適用した。また、状態空間モデルと状態推定法の改良の研究に従事した。下半期は、摩擦的・構造的失業率の推定の問題に取り組んだ。従来の方法では、失業と欠員の関係をU-V曲線で表現し、それに基づいて失業率の要因分解を行う。ただし、定数パラメータのモデルを扱うケースがほとんどであり、動学的分析の試みは非常に少ない。本研究では時変パラメータをもつ動的マッチング関数のモデルを構築し、平滑化事前分布を利用したベイズ統計分析を行った。本研究の提案法により、摩擦的・構造的失業率の厳密な推定のみならず、失業と欠員のマッチングを促す労働市場の効率性の動的特性が把握可能となる。上述の研究成果は、日本統計学会、日本経済政策学会、The Fourth International Symposium on Intelligent Information、The 31st International workshop on Bayesian Inference and Maximum Entropy Methods in Scientific and Engineering、The2011 Asian Conference of Management Science and Applications等の国内学会・国際会議で報告した。また、6編の論文をJournal of Economic Research、ICICE xpress Letters等の国際学術雑誌に投稿した。
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Research Products
(10 results)