2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530194
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西埜 晴久 千葉大学, 法経学部, 准教授 (20305410)
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Keywords | 所得分布 / 不平等度 / 時系列 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 対数正規分布 |
Research Abstract |
本年度に実施した研究において以下のような成果が得られた。本研究計画では、経済格差を分析するためめ基本モデルとして、対数正規分布を部分順序統計量の漸近正規近似によって多変量正規分布を誤差項とする線形回帰モデルを一般化最小2乗法を用いて推定し、検定へも応用する方法の研究は査読者のレビューを経て、ようやくNishino and Kakamu(2011)"Grouped data estimation and testing of Gini coefficients using lognormal distributions"として、Sankhya Bに発刊されることとなった。 次に、所得分布をマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法)を用いて推定する方法は、"Bayesian estimation of Income distribution from grouped data"との表題で5th Japanese-European Bayesian Econometrics and Statistics Meeting(JEuBES 2011,Norges Bank,Oslo)で研究報告を行い、さらに精緻に研究を進め、論文投稿に向けて準備中である。そして、経済格差を時系列に取り込んだ研究としては、分位点を部分順序統計量としてみなして正規近似を使い、SVモデルを使ってモデル化し、MCMC法により推定する研究を行った。この研究は、用いる分布を対数正規分布だけにすることで、ようやく投稿先の学術誌でレフェリーとやりとりをしている。 他には、今回の研究計画のさらなる発展のために、対数正規およびその対数変換である正規分布以外の非ガウスの分布として、t分布をイノベーションを持つ時系列に対する研究を進めており、統計関連学会連合大会および経済統計若手研究会にて研究報告を行った。また、時系列の関連の研究としてEGARCHモデルを推定する問題は、西埜晴久・大津留峻(2012)"EGARCHモデルについて"『千葉大学経済研究』第26巻129-151頁、にまとめた。また、長期記憶性を持つARFIMAモデルの推定法に関しては、西埜晴久・倉田直典(2012)"カルマン・フィルターとCSS法によるARFIMAモデルの推定"『千葉大学経済研究』第26巻93-124頁にまとめた。
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