2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530195
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 正人 国立大学法人 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (60170354)
|
Keywords | 状態空間モデル / ラグランジュ乗数検定 / stochastic volatility model |
Research Abstract |
本年度の研究において、観測される変数の数が二つの場合において、複数の観測変数を持つ非線形状態空間モデル(stochastic volatility model)と線形状態空間モデル(対数化されたstochastic volatility model)の状態変数の次元を検定する統計量の解析的導出といくつかの単純な場合での数値計算が完了した。 試験的な数値計算を行なったところ、非線形状態空間によるモデルの統計量の計算量は莫大であり、考えうる数値計算による方法では実用に適さないことが判明したため、線形モデルによるものを中心に研究成果のとりまとめを行なう。当初、検定統計量の導出にDiacのデルタ関数を用いて統計量の計算を行なう予定であった。線形モデルにおけるKalmanフィルターによる最尤法の推定自体は比較的単純なものであるが、ラグランジュ乗数検定統計量導出のAlgorithmは複雑であるばかりでなく、計算量はかなり膨大なものになり、Kalmanフィルターの利用も実用的とはいえないものであった。これに対し、当初、非実用的であると想定していた周辺分布から求めた対数尤度を直接的に最大化する最尤法は、推定および検定統計量の導出は解析的にもalgorithmも単純であり、パーソナルコンピュータで対応できる程度の計算量であるため、伝統的な最尤法を適応するほうがよい効率的であるという結果にたっした。 さらに、伝統的な最尤法を用いることにより、観測値が2変量以上の場合にも統計量を容易に求めることができることが判明した。これにより、観測変数の数が一般の場合への拡張という懸案の課題が解決した。
|