2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530198
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
永井 圭二 Yokohama National University, 経済学部, 教授 (50311866)
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Keywords | 経済統計 / ファイナンス |
Research Abstract |
本研究の出発点は2006年の日本統計関連学会連合大会の招待講演および2007年のモスクワのSteklov Institute of Russian Academyで開催された学会(Shiryayev教授主催)で報告した内容であったが、その主眼はLai and Siegmundの逐次推定の方法を単位根検定の問題に拡張することであった。本研究では確率過程の停止時刻による統計的推測の理論について考察し、応用としてオンラインリスク管理への適用を考える。研究のテーマは以下の4点である。 1.経済時系列の定常性のモニタリング問題 2.分岐過程の臨界性のモニタリング問題 3.一般の離散時間マルコフ過程のパラメータのモニタリング問題 4.ベンチャー企業の倒産、合併、上場のオンラインモニタリング問題 1.に関してはすでに多くの点は完成しているが、逐次確率比検定の期待停止時刻の理論値の解析的表現がまだ得られていない。ここで解析的表現とは数値計算可能な特殊関数で表されるということである。2.については学会発表の(1)で理論的結果を報告した。3.については連続拡散過程で近似される離散時間マルコフ過程について逐次確率比検定に関するWaldの過誤確率が1次の近似としてinvariantに成立する点を示したところが顕著な業績であるが、期待停止時刻などの0Cの解析的表現にいたっていない。4.については競合リスクがあるCox比例ハザードモデルの拡張を考え一致性と漸近正規性について(2)で報告している。そこでは応用としてベンチャー企業の創業・倒産・合併・上場を考察し、新しい信用リスク評価モデルを構築している。
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