2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530198
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
永井 圭二 国立大学法人 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (50311866)
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Keywords | 経済統計 / 生存時間分析 |
Research Abstract |
22年度は企業の設立、合併、倒産、上場といった事象を分析するための新しい計量経済学的手法について研究を行った。こうした事象を従来の生存時間解析を用いてとらえようとすると、設立から倒産までの存続時間を考え、合併を打ち切り(censoring)とし、ノンパラメトリックな手法およびセミパラメトリックな手法を適用するといったやり方が考えられる。本研究では企業の設立、合併、倒産、上場といったイベントをそのままとらえ、実時間(カレンダータイム)を時間パラメーターとするハザードモデル構築し、ノンパラメトリックおよびセミパラメトリックな計量経済学的手法を提案した。本研究に関して横浜国立大学国際社会科学研究科大学院博士後期課程に所属していた研究代表者が指導する大学院生宋智氏が2011年3月、「実時間に依存する多重強度モデルによるベンチャー企業の上場と倒産の予測に関する研究」と題する論文により博士号を取得した。宋智氏は、研究代表者による指導のもと、実時間を用いたハザードモデルのノンパラメトリック法およびセミパラメトリック法のシミュレーション及び実証分析を行った。 本研究は、実時間をパラメーターとするハザードを考察しているが、その貢献は、理論からの演繹でなく、ベンチャー企業のデータに基づいて推定量を提案し、シミュレーションにより妥当性を確かめ、実証分析を行っているという点にある。残された重要な仕事は統計量の数学的性質を調べることにあるが、重要な問題を提示している点で今後のこの領域の進展にとって価値が大きいと考えられるの。
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Research Products
(1 results)