2010 Fiscal Year Annual Research Report
日米中マクロ経済と金融市場の因果関係に関する計量分析
Project/Area Number |
21530200
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
姚 峰 香川大学, 経済学部, 教授 (90284348)
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Keywords | 計量モデル / 金融証券市場 / 日米中経済 / 因果測度 / 因果分析 / Fortranプログラム |
Research Abstract |
多変量時系列間における長期と短期因果関係に関する理論研究を行い、開発した一方向因果測度の計算およびその統計検定プログラムをより使いやすく更新した。また、複雑なマクロ経済指標間における一方向因果関係の実証分析を行うため、Fortranにより開発したCCTW2009に基づいて、相互因果測度と結合因果測度を検討し、数値計算および統計検定プログラムの開発に着手した。 応用研究に関しては、2008年金融危機前の日米中金融市場の相互影響関係に着目し、東京証券市場とニューヨーク証券市場および上海証券市場の代表的な総合指数間における一方向因果関係をより詳しく分析した。NYダウと日経平均株価とは互いに影響し、NYダウから日経平均株価への一方向因果影響はその逆の因果影響より大きいことが分かった。NYダウから上海総合指数への短期的な一方向影響は大きく、上海総合指数からNYダウへの一方向因果影響は小さいであるが有意であることを示した。日経平均株価から上海総合指数への一方向因果影響はNYダウから上海総合指数への影響より少し弱いであるが、周波数領域においての特徴は似ていることも分かった。 本年度には中国マクロ経済と金融証券市場についての資料収集と研究調査を行い、積極的に海外の関係する研究者と研究交流を行った。日米中金融証券市場の主な総合指数間に関連する研究結果を国際シンポジウムに研究報告をしたほか、上海大学、台湾大学および長春大学において特別講演も行った。
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