2011 Fiscal Year Annual Research Report
日米中マクロ経済と金融市場の因果関係に関する計量分析
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21530200
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
姚 峰 香川大学, 経済学部, 教授 (90284348)
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Keywords | 因果関係 / ECMモデル / 時系列分析 / 日米中経済 / 金融危機 / 金融証券市場 |
Research Abstract |
周波数領域における一方向因果測度による多変数時系列の長期と短期因果関係を解明できる統計分析手法を整理し、相互因果測度と結合因果測度などの数値計算プログラムの開発を引き続き行った。金融証券およびマクロ経済指標間における一方向因果関係を分析できる汎用的なプログラムを更新し、共和分時系列間における複雑な偏因果関係に関する計量分析アプローチを検討した。これちの研究は今後の経済実証分析をより幅塔く、より深く探ることに寄与できると思われる。 2008年に発生した金融危機が世界経済に大きな影響を与えたことを考慮する上、これまでの理論研究と開発したプログラムを応用し、金融危機発生する前の日米中の主な経済指標間における一方向因果関係に関する実証分析を行った。世界最大経済規模の日米中の証券市場の相互影響のアルゴリズムを解明することを目的に、一方向因果分析の手法を用いて、ニューヨーク証券市場のNYダウ工業平均、東京証券市場の日経225、上海証券市場の上海総合指数の一方向因果関係を詳しく分析した。日米中三大証券市場の代表的な総合指数の相互影響を周波数領域で分析し、上海証券市場がニューヨーク証券市場と東京証券市場に対する影響は安定的で、逆の影響はともに中短期的であることが明らかになった。計量分析の結果の一部は国際学会MSE2011の論文集に掲載した。 日米中経済発展の相互依存関係を分析するため、今年度には主に日中マクロ経済と金融証券市場に関する統計資料の収集と整理を行った。上海大学、中国人民大学および吉林交通職業技術学院の先生達と.の国際研究交流を行ったほか、上海大学、海南大学および西安財経学院において特別講演も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多変量時系列における因果分析の理論と実証に関する研究はとも順調に進んでおり、これまで得た研究結果を持って国際学会および研究調査訪問先の大学において積極的に研究報告を行い、国際学術研究交流ができた。また、海外研究調査と資料収集を行い、これまで構築した実証分析用の日米中経済データベースを更新・充実した。
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Strategy for Future Research Activity |
日米中の国際貿易交流が益々緊密になってきて、特に金融証券領域の相互影響が顕在化しているので、日米中金融証券市場に関する実証分析をより詳細に分析していきたいと考えている。その際に、膨大な統計資料の収集と整理などの仕事は非常に手間がかかるが、アルバイトを雇う資金力がないなどの困難を克服し、最善の努力で研究時間を捻出して自分で対応する。
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