2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530206
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永易 淳 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (30375422)
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Keywords | 為替相場 / リスク / 伝播効果 / ファクターモデル |
Research Abstract |
本研究は高頻度の統計データが公開されている、外国為替市場での伝播効果を実証することが目的である。1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマン崩壊など、近年多くの国際金融危機が勃発する中、一国の経済変化が、近隣諸国に悪影響を及ぼすことは想像し易い。 本年度は研究プロジェクトの初年度であるため、研究に必要な環境を整えることに重点をおいた。関連コンピュータソフトや研究資料の購入、データベースの作成、研究協力者の一人であるByrne博士との共著論文を始めるにあたり、研究内容・手法などを検討するため、英国グラスゴー大学に客員研究員として訪問が主な例として挙げられる。Byrne博士とは欧州経済や為替リスク・プレミアから伝播効果を検証することが暫定的に決定した。また同大学のMacDonald教授(研究協力者)からも欧州経済する情報を得た。これらを基に、2年目以降更に共同研究を進めていく予定。 また、初期段階であるが、関連研究論文「Empirical Analysis of Forward Premium : Evidence from the Asia-Pacific Region」を日本金融学会で発表した。本論文はファクターモデルを用い、アジア・太平洋諸国の為替フォワード・プレミアムから共通要素を統計的に抽出し、その重要性を吟味した単著研究である。共通要素の重要度が高いことは、本研究で選択された国々の為替相場が同様の伝播効果に直面したことを示唆し、反対に各国の高い特有要素の重要性は、共通の伝播効果が比較的少ないことを意味する。
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