2011 Fiscal Year Annual Research Report
航空輸送産業における事業ドメインの変化と再構築についての分析
Project/Area Number |
21530211
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
遠藤 伸明 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (00293085)
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Keywords | 航空 / 事業領域 / 国際化 / 多国籍化 / 多角化 / LCC / 国際経営論 |
Research Abstract |
本研究は、1.航空輸送事業領域、2.航空輸送関連の垂直的事業領域、3.国際化・多国籍化に関する事業領域、以上3つの事業ドメインの変化と経営効率性ならびに経営業績に与える影響について検証することを目的とする。当該年度においては、第1に、定期サービス・チャーターサービス・低運賃サービスなど航空輸送事業領域の多様化ならびに旅行業・ホテルなどを中心とする航空旅客輸送関連事業にかかわる垂直的多角化の実態について、産業組織論、取引費用理論、資源ベース論を踏まえ、事例分析を行った。分析より明らかになった点として、包括旅行ならびにチャーター便は、航空会社に対して、流通費と在庫リスクの軽減とそれを通じた高い生産性と低位ではあるが安定した利益をもたらす可能性がある。また、航空会社は、近年においては、ホテルをはじめとする航空旅客輸送関連事業から撤退しており、その背景には、航空旅客輸送事業と航空旅客輸送関連事業との間において、経営資源の共有の余地が小さいこと、ブランドをめぐる独占力の行使が困難なこと、範囲の経済性がないこと、などがあげられる。第2に、英国航空会社や各国の主要航空会社を中心に、航空輸送の各事業領域の規模、各項目別費用、利益についての数量的なデータの収集を行った。第3に、航空会社ならびに海運会社を対象に、海外子会社・現地法人の事業規模、親会社の出資比率、駐在員派遣比率などの国際経営にかかわる実態についてのデータを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな考察の論点がみつかったこと、データが非常に多かったこと、学内での業務の時間的な負担が大きかったこと、などである。
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Strategy for Future Research Activity |
定性的な分析と計量的な分析を補完的に用いるとともに、産業組織論・経営戦略論・国際経営論など学際的な視点から分析を行うことを通じ、航空輸送産業の事業ドメインとその経済的影響について多角的に解明する。
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