2011 Fiscal Year Annual Research Report
Experiments on Green Goods
Project/Area Number |
21530213
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
MUNRO Alistair 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (10515654)
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Keywords | green goods / moral wriggling / impure public goods / economics experiments |
Research Abstract |
エコ商品とは、より広義では時に「エシカル(倫理的)商品」と呼ばれる商品に属する。エコ商品は純公共財ではなく、環境に貢献するかあるいは消費者に直接的な利益をもたらしつつgood cause(正しい理念)に貢献する。我々はなぜ人がエコ商品を買うのかを調査するために実験を重ねてきた。研究が進むにつれて、消費者行動の心理状態がわかってきた。特に、民間企業がエコ商品やエシカル商品を販売することにかなり複雑な態度を持つ人がいることがわかった。彼らは、エコ商品を扱う企業が倒産することを望まず、企業の存続を助けるために商品を購入する。しかし一方では、そうしたエコ企業が莫大な利益をあげることを良しとしない。それは環境よりも利益を優先させることを意味することになるからである。 研究協力者と研究計画の立案のための会合を行った後、2011年度の3つ目の実験を行った。この実験では、被験者はサプライヤーから選択される。得た利益の一部を正しい理念に回すサプライヤーもあり、我々は彼らを「エシカル・サプライヤー」と呼ぶ。それ以外のサプライヤーは純粋に利益至上主義者である。被験者には、サプライヤーの利益の額および正しい理念に充足する金額を変動させた。予備データ分析では、多くの個人がエシカル・サプライヤーの利益の額に注目していることを示す十分な結果を得た。被験者は、エシカル・サプライヤーが赤字に陥らないように商品を購入する。また被験者は、エシカル・サプライヤーの利益が大きい場合には商品を買わない。翻って、被験者は、利益至上主義のサプライヤーの儲けについては関心を示さない。そういうサプライヤーの場合、重要なのは価格のみだからである。 総合すると、消費者が環境理念に貢献する時、その貢献は周囲の事情に大きく左右されることがこれらの実験からわかる。以上見たように、エコ商品は環境保護のための資金調達の方法としてあまり当てにはできないのかもしれない。
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Research Products
(3 results)