2011 Fiscal Year Annual Research Report
広域行政圏化による労働再配分ショック増幅効果とミクロ経済的構造分析
Project/Area Number |
21530228
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤田 渉 長崎大学, 経済学部, 教授 (30264196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 勝彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)
丸山 幸宏 長崎大学, 経済学部, 教授 (30229629)
山口 純哉 長崎大学, 経済学部, 准教授 (40325692)
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Keywords | 広域行政圏 / 労働再配分ショック / マッチング / 雇用 / 貿易 / 多国籍企業 |
Research Abstract |
まず、初年度から継続的に行われている研究内容として、労働再配分ショックに関する先行研究のサーベイ、データの整備と更新、分析モデルのサーベイを続けた。 さらに、23年度は、具体的なケースとしてく地域においてピックアップした対象をとりあげた。広域行政圏化により行政権を失い、過疎・衰退化が懸念されている県などの地域レベルにおいては、現在の市町村と企業との関係と類似の状況が再現される可能性が高い。たとえば企業の撤退等によるショックは雇用、税収、インフラの有休化から関連産業の衰退・流出、さらに人口流出に至るまで多くの例を見ることができる。これまでは、このような「地域-企業」の組(対)モデルが一般的と考えちれてきたが、規制緩和による公共サービスの自由化は新たなショックの増幅効果を持つ可能性が見えてきた。たとえば水道事業などの公営事業が自由化されて企業が参入する場合、その地域の大規模企業が撤退すると工業用水や下水の支配的なユーザーが脱落することになる。このような場合では地域と撤退企業の2者問題ではなく、地域と撤退企業、そして公共サービス企業の複雑な3者問題に拡大する。このような見落とされた.ショック増幅メカニズムを列挙していくことにょり、部門間・地域間の労働配分ショックのミクロ・メカニズムのモデルを定性的に評価するだけでなく、ショックと地域のスケールの関係が評価できる可能性が示唆されてきている。また2011年3月の震災におけるサプライチェーン切断の影響を分析するモデルと、本研究の対象である再配分ショックの増幅効果メカニズムを分析するモデルの間に共通点があることが分かってきた。このためこれまでも検討してきた応用一般均衡モデルの応用だけでなく、地域産業連関分析モデルの応用についても検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的、および実施計画について、ほぼ着実に達成しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も本研究課題の研究目的、および実施計画に従い、着実に進めていく。
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