2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子機器産業の構造変化と東アジア経済の相互依存メカニズム
Project/Area Number |
21530230
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
熊倉 正修 Osaka City University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (20347503)
|
Keywords | 東アジアの貿易 / 電子機器 / 半導体 / 貿易品目分類 |
Research Abstract |
平成21年度の4月から6月にかけて、情報通信機器と電子部品の特性に注意しつつ、主として国連統計を用いて東アジアにおけるこれらの品目の取引状況を整理した。同時に、国連統計に抱える問題点とそれを克服するための手法を考案し、その結果を和文と英文の論文にまとめて発表した。さらに、これらの結果とそれ以前の研究成果をもとに2000年代以降の東アジアの貿易構造の変化とそのマクロ経済の関係への影響を検証し、和文による別稿にまとめた。 2008年から2009年にかけて我が国の輸出が未曾有の落ち込みを経験したことを考慮し、当初の予定であった円の実質為替レートとマクロ経済に関する研究の一環として、7月以降、それ以前の成果を手がかりとして我が国の輸出関数を再考する試みを行った。その結果、中国など近隣諸国との間で電子機器産業の生産工程分業が進展し、我が国の輸出財の中心が半導体製造機器や電子部品などにシフトしているため、電子機器の国際市況の変化とそれによる在庫変動を考慮することにより、マクロの輸出関数のパフォーマンスが向上することを確認した。この研究の成果はすでに和・英文のディスカッション・ペーパーにまとめ、学内外のセミナーにおいて報告している。また、現在は同様の手法を用いて輸入関数の推計を行うと同時に、価格変動の大きい電子部品に注目しつつ、輸出入価格と国内価格の品目を厳密にマッチさせた実質為替レートの作成を試みている。
|
Research Products
(4 results)