2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530231
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
丹野 忠晋 跡見学園女子大学, マネジメント学部, 准教授 (40282933)
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Keywords | 入札 / 談合 / オークション / 官製談合 / 入札制度改革 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き非対称オークションに関する簡単なモデル分析の論文Linear Bid in Asymmetric First-Price Auctionsを加筆・修正して学会SING6:6th Spain,Italy and Netherland meeting on Game theoryにおいて報告した。この学会報告後さらに修正を行い特に同モデルの入札談合への拡張を検討した。 談合実態解明パートでは岩見沢市の官製談合事件を取り上げてこの最初の官製談合事件の実態と入札制度改革を調べた。市長がトップダウンで受注予定企業を決める談合形態は,応札企業が見積もりを行わなくなるような企業の緩みをもたらした。公取委の勧告を詳細に検討すると全ての企業が協調しているのではなく談合破りや談合への勧誘があったことが分かった。またアウトサイダー企業は入札改革に関する要望書を出す競争圧力が存在している事も確かめられた。この事件を契機に電子入札をいち早く導入する入札制度を改革する動きが出てきた事も見逃せない。このケーススタディーは,「岩見沢官製談合事件と日本の競争政策の深化」跡見学園女子大学マネジメント学部紀要第10号(2010年10月15日)に納められた。 昨年度に引き続き丹野他(2008)「カルテルの実態調査と経済理論分析」のデータをさらに過去に遡って蓄積している。このデータベースは平成16年度までのデータであるので平成17年度の事件は審判がもしあったとしても結審していると思われる。今後は新しい日付のデータを付け加える予定である。各事件を詳細に検討するため時間がかかるが最終年度にはまとまった形にする。
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