2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国の地域開発戦略は有効か?-ハーシュマンの分極効果と浸透効果の観点から
Project/Area Number |
21530233
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
岡本 信広 Daito Bunka University, 国際関係学部, 准教授 (00433863)
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Keywords | 中国 / 地域開発 / 地域格差 / ハーシュマン / 浸透効果・分極効果 / 地域間産業連関分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,中国の地域開発政策が地域格差縮小にどれだけ貢献できたかを,労働を考慮した地域間産業連関モデルによって計測することにある。 平成21年度は,8月と2月に現地調査(北京)を実施した。8月には国家信息中心とともにモデルやデータについて意見交換した。労働を考慮する産業連関モデル設計のアイデアは理解していただいたが,2地域間モデルにしか適用できない,労働のデータ収集が難しいという意見をもらった。2月には社会科学院経済研究所等で地域開発戦略の概要についてヒアリングをおこなった。現在は地域政策が都市圏レベルでの実行に変化してきている。各種地域政策をシミュレーションすることになれば,地域区分をできるだけ詳細に行う必要がある。 モデル推計の要であるデータ収集については,各地域の産業連関表を収集した。2002年度については公開されており収集できたが,2007年度は全国表のみ入手できた。今後の公開可能性によっては全国表から地域表を推計する必要がある。その他の関連データ(GDP,生産額)は順調に整理・入力がすすんでいる。地域間交易係数では,距離データの収集加工が進められており,外生変数については部門数を小さくすれば問題ないことが判明している。今後部門数の設定によってデータ収集が困難になるかもしれない。 地域開発戦略に関する文献についても英文,和文,中文について収集を行った。ほぼ関連文献はサーベイが完了したと言えるであろう。 今後は,実際のモデル推計,開発戦略の数量化という課題に取り組むことになる。
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