2009 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカの包括ケア・プログラム(PACE)の意義と限界
Project/Area Number |
21530251
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
新井 光吉 埼玉大学, 経済学部, 教授 (90212604)
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Keywords | PACE / オンロック / 包括ケア / 低医療費とQOLの両立 / デイヘルスセンター / 地域・在宅ケア / 多職種チーム / 切れ目のないケア |
Research Abstract |
平成21年度に高齢者包括ケア・プログラム(PACE)を実施している2ヵ所のNPOを調査した。これらの調査を通じて、PACEの活動内容について詳しく知ることができ、平成22年2月に論文にまとめ、『社会科学論集』に投稿した。しかしPACEは全米で約70組織が活動を展開しているにも関わらず、サービス提供対象の高齢者数が1万6,000人程度にすぎなかった。低医療費と加入者のQOL向上を両立させているPACEがなぜ目覚しい発展を遂げられないのか強い疑問を感じた。そこで、科研補助金を22年4月まで繰り越して、PACEの経営幹部にインタヴューを行うことにした。オンロック、PEP(シアトル市)、CEI(オークランド市)の3ヵ所を調査した。CEIはサクラメント市のSSC(サッター高齢者ケア)のCEOから紹介された組織で、CEOやCFOなど4人の経営幹部が2時間にわたりインタヴューに応じてくれ、PACEの経営面について多くの知見を与えてくれた。 これらの知見を2月に投稿した原稿に加筆して、「アメリカの長期ケアと高齢者包括ケア・プログラム(PACE)-オンロックの活動を中心に一」というタイトルで『社会科学論集』第130号に発表した。その成果の1つとして、例えばPACEが医療過疎の僻地にまで活動を広げ、組織を拡大しようとしていることを論文にも盛り込むことができた。
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Research Products
(1 results)