2011 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカの高齢者包括ケア・プログラム(PACE)の意義と限界
Project/Area Number |
21530251
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
新井 光吉 埼玉大学, 経済学部, 教授 (90212604)
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Keywords | 包括ケア / PACE / 切れ目のないケア / 低医療費 / QOL維持 / 多職種チームケア / デイセンター |
Research Abstract |
本年度の成果は前年度に発表した論文「アメリカの長期ケアと高齢者包括ケア・プログラム(PACE)-オンロックの活動を中心に-」に加えて、日本・カナダ・スウェーデンの包括ケアに関する研究を3本の論文にまとめ、これに序章と終章を付して2011年12月に著書『包括ケア-医療費の質と低医療費の両立-』という形で刊行することができたことである。この著書は医療費を抑制しながら患者のQOLを維持・向上させることができる包括ケアについて、目欧米4力国を取り上げ、その特徴、成果と限界を国際比較し、より理想的な包括ケア・モデルを探求しようとしたものである。近年、包括ケアの研究者も徐々に増加しつつあるとはいえ、研究成果の蓄積は未だ甚だ少なく、ほとんどが断片的な観察や経験談的内容に止まっているといってよい。その意味で、本書は「包括ケア」を真正面から取り上げて、国際比較したほとんど唯一「の研究書であるといえる。英文の研究でも、日本、米国、カナダ、スウェーデンの4力国の包括ケアを取り上げて分析したものは、管見によれば見たことがない。もちろん、本書はいわばパイオニア的な研究なので、不十分な点も少なくないと思われるが、「包括ケア」の研究水準を確実に前進させたと自負している。 本年度の交付申請書は日本・スウェーデン・カナダの3力国の包括ケアに関する研究をまとめて、書籍として年度中に刊行することを目標として掲げたが、それを無事に果たすことができたと考えている。またアメリカのPACEについても、ケーススタディを2つ加え、既刊論文に加筆することもできたことも成果といえる。
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Research Products
(1 results)