2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530253
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
寺田 一薫 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋工学部, 教授 (80197798)
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Keywords | 道路運送法 / 規制緩和 / 新規参入 / バス / タクシー |
Research Abstract |
道路運送(乗合バス、貸切(ツアー)バス、タクシー)市場に関する調査を通じて、規制緩和がネットワークを持つ企業の行動にどのような変化をもたらしたかを調査した。これらの市場で規制緩和後に生じた市場構造は、大都市においても過疎部においてもほぼ共通して、規制時代からの独占、あるいは寡占的な構造が変化していないことが多い。 このため、ネットワークの視点ならびに残された弱い規制という観点から、競争が活発化せず寡占化している理由を明らかにした。具体的には、新規参入者の参入前履歴と行動、既存事業者の参入阻止行動、規制緩和後にも残された弱い政府規制の影響について、まず既往の内外の関連学術文献に関する文献調査を行った。 また、新規参入者と既存事業者のコストを決定づける、厚生労働省の改善基準による運転時間規制の内容、ならびにその一般的な周知と順守の状況について、聞き取り調査を行った。そのうえで、乗合バス会社、乗合タクシーなどの新規事業に進出しているタクシー会社、ならびに補助金付き輸送を委託する地方自治体に対する聞き取り調査を行い、それらの結果の解析を行った。 最終的に、地方自治体の道路運送サービス分野での随意契約または条件付き入札に関する行動が、規制緩和後の道路運送業の市場構造に大きく影響していることが分かった。また、過疎部で財政制約の強い地方自治体が入札方式で事業者選定を行うことが多いため、過疎部の方が新規参入や業態間移動がやや起きやすいという、既往研究結果と異なる傾向も判明した。
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Research Products
(5 results)