2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530260
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古松 紀子 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (60293685)
|
Keywords | 高等教育 / 教育選好 / 経済学 |
Research Abstract |
本研究は,個人の教育選好が内生的に決定されるメカニズムを心理学分野の学問的成果を有機的に取り込むことにより構築し,それによって教育政策の最適化問題を分析しようとするものである.本年度の研究は,以下の研究目的を順次達成するようすすめた,(1) シンプルな内生的経済成長モデルに教育選好を外生変数として導入した教育選択モデルを構築する,(2) 教育選好の水準が(1)の成長モデル内で経済成長と所得分配に与える効果を検討する,(3) 日本の大学教育への教育選好の形成要因を心理学の研究成果から検討し,教育選好が決定されるメカニズムモデルを構築する. 具体的には以下の作業を行った. (1) 関連分野の理論及び実証的な文献収集を行い,知識を深化させた.そして,それに基づき,シンプルな経済モデルをいくつか構築した.その際,モデルが,(i) 教育選択の合理的行動が明示的に取り込まれている,(ii) 教育選好を導入してもダイナミクスの発生が崩れない,(iii) 教育への補助金など政策課題が議論できる,(iv) 実証的結果と矛盾しない,という要件を満たすように注意を払った. (2) 構築されたモデルで,教育政策の効果を検討した. (3) 次年度に個人の教育選好が内生的に決定されるモデルを構築するため,その準備段階として大学教育需要に関連する実証的文献や資料・データの収集と,心理学関連の文献収集を行い,教育選択の動機付けに関する知識を整理・深化させた,前者の資料・データは,ミクロレベルで大学教育の選択要因を探る必要があるため,授業料,教員数,学生数,偏差値等の大学別データが対象となる.それらは文部科学省及び各大学のHP,大学ランキング誌等から時系列的に収集した,(資料整理とデータ入力には研究補助者を雇用した)
|