2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530261
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大住 圭介 Kyushu University, 経済学研究院, 教授 (10109621)
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Keywords | 社会的インフラ / 持続的成長 / イノベーション / 環境 / R&D |
Research Abstract |
本研究では、経済制度や社会的インフラの違いが、イノベーション政策の経済促進効果にどのような影響をもたらすかを中心に検討する。本年度は、次年度以降の研究のために資料収集を行い、海外の研究者との意見交換を行い、さらに、幾つかの点で、社会的インフラと経済成長の本格的な研究に着手した。具体的には、下記の通りである。 (1) フランス・イギリス・ドイツの研究者を訪問して、研究上の情報を入手した。OECDを訪問し、3名の研究者からR&Dのデータに関する作成状況と情報入手の具体的な方法に関して説明を受けた。さらに、イギリスのバース大学のジョシー博士と会い、インド経済の状況、特に、ケーララ州の教育制度と経済発展について、示唆を受けた。また、経済成長モデルの構成に関しては、ドイツのビーレフェルト大学のボーム教授を訪問し、マクロ経済動学に関する新しい研究動向について意見を交換した。 (2) 研究に関しては、次のように行った。 (1) 大学院生の谷晶紅氏と共同研究を行い、アセモグル等(2006)の経済成長モデルにイノベーション契約に関するシステムを導入し、イノベーション契約が経済発展に伴って、どのように変化するかに関する理論的な解明を行った。この結果は、アジアの経済発展のメカニズムを解明し、今後の経済発展の方向を解明するのに有意義であると思われる。この成果は、日本応用経済学会春季大会で報告し、査読つきの学会誌に投稿し、受理された。 (2) 大学院生のバラス氏と共同研究を行い、経済成長と所得分配に関する論文を完成させ、日本応用経済学会春季大会とシンガポールにおける国際学会で報告した。こ結果は、マッチングを支える価格メカニズムを解明しており、経済発展に伴う熟練技能労働の評価を考えるのに有意義である。
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[Journal Article]2009
Author(s)
大住圭介・池下研一郎・野田英雄・伊ヶ崎大理
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Journal Title
経済成長のミステリー(E.Helpman の原著の翻訳)(九州大学出版会)
Pages: 1-15
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