2011 Fiscal Year Annual Research Report
出生数に関わる諸要因を分類された家族・地域ごとに改善させるための研究
Project/Area Number |
21530271
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
佐藤 晴彦 平成国際大学, 法学部, 准教授 (90406588)
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Keywords | 人口 / 少子化 / 出産意図 / 代替的選択肢 / 精神的・肉体的負担の軽減 / 部屋数 |
Research Abstract |
少子化が進行している今日,出生率に及ぼす要因が明らかになってきている。 本研究では、先行研究で明らかにされた出産意図に対する諸要因について,十分条件が成り立たない場合、成り立つようにするために、その要因に他のどのような要因が必要となるのか、また、それに付随する要因はどの程度必要なのかを問題意識とした。 十分条件が成り立つ例として,部屋数を増やしさえすれば出産意図が上昇することが挙げられる。十分条件が成り立たない場合とは、部屋数を増やしても出産意図が上昇しないことであるから、成り立つようにするために、部屋の替わりに他のどのような要因が必要となるのか等を問題意識とした。 本研究では、この目的を達成するために、出産意図を分析する方法を、変数の中の選択肢が、現実的な要因(変数内の選択肢がすべて現実的な要因であること)で成り立っているデータと、代替的な要因(変数内の選択肢はすべて仮定的・代替的な要因)で成り立っている場合とで比較する方法をとった。 代替的選択肢を含む説明変数が出産意図に与える影響について比較分析した結果、この比較の違いが認められるのは、30代の妻が期待する夫の家事(育児)協力である。 他の点で注目すべき知見は、出産意図をもつために、精神的・肉体的負担の軽減については、20代、30代の妻は、現実的な要因での分析でも、代替的な要因での分析でも、共通に強く望んでおり、出産意図に有意に影響を与えるという点である。 世帯収入については、その代替的な選択肢が要因に含まれていても、現実的に世帯収入そのものが出産子育て費用に見合う分得られなければ、世帯収入の不足がある限り出産意図に有意に影響しないという点が得られた。 部屋数・スペースについて(妻の場合)は、仮定的な代替的要因としてではなく、現実的な要因として有意に必要とされるという知見が得られた。
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