2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530273
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大平 哲 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (40233259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 厚志 東京国際大学, 経済学部, 教授 (20051906)
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Keywords | タイ / 地域間格差 / 二部門モデル / 非線形回帰 / 農業セクター |
Research Abstract |
収集したデータをつかい、大平が開発したマクロ実証モデルをつかって牧が実証分析をおこない、その暫定的結果を22年12月に東京国際大学で開催されたConference on Poverty,Inequality and Growthで報告をした。発表した内容は経済成長をするにつれてタイ経済の中で農業セクターが果たす役割がどのように変化するかの分析であるが、実際のデータとの整合性をチェックするにとどまり、実際のタイ農業セクターの役割を理解するためには改良の余地がまだあることを確認した。 タイ人研究者との議論を通し、所得やその成長だけでなく、いわゆる経済面以外の側面を考慮した多次元での格差・貧困分析を用いなければ現在のタイでの農業問題の本質を理解できないとの意見が強い。そこで、多次元での格差分析の手法を応用し、農業、非農業部門間の格差の時系列的変化と社会厚生の変化との関連を解明する作業を同時にすすめている。 23年8月にタイ・コンケン大学でセミナーを開催し、農業経済学、社会学の分野でのタイ人研究者、およびタイ農業の現場の人々からのコメントをもらう計画をすすめた。セミナー開催の下準備のためにタイを訪問し、コンケン大学開発研究所のシニー博士の協力を取り付けた。セミナーには農業経済学、社会学の分野での研究者に加え、農業プロジェクトに係わった開発コンサルタントやNGO、農民組織の代表者などにも参加してもらうことにし、そのための準備も依頼した。モデルの理論構造や実証分析の手法についてだけでなく、実際の農業の現場にいる者からのコメントを得ることで論文の内容を意義あるものにしていく計画である。
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Research Products
(1 results)