2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530273
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大平 哲 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (40233259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 厚志 東京国際大学, 経済学部, 教授 (20051906)
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Keywords | タイ / 地域間格差 / 二部門モデル / 非線形回帰 |
Research Abstract |
農業セクターと工業セクター間の所得格差を説明する二部門経済成長モデルでタイの経済成長経路を説明できるかを検討した。その基礎準備となる二部門成長モデルの先行研究のサーベイを今年度中にほぼ仕上げた。非線形の構造方程式の推計をするための工夫として、タイの県別の農業・工業所得のデータを整備したほか、それぞれのセクターでの雇用量をタイ統計局から紙媒体で取り寄せ、データベース化する作業をした。そのデータ整備はすでに終了し、さまざまな試行錯誤をしながら推計の精度を高める改良をしているところである。二部門経済成長モデルの理論化の作業は盛んになされてきたが、実証作業の対象になることはほとんどなされてこなかった。理論が複雑であり、結果として非線形の構造方程式の推計を必要とすること、一方で、分析対象となる途上国の観察データの入手が困難であることが理由である。本研究は、タイの県別データの利用に注目することでデータを確保し、非線形構造方程式の推計に容易に取り組める最新のコンピュータを用いることで、複雑な理論の現実妥当性の検定に挑戦していることに大きな意義がある。 この研究の内容の現時点での暫定的な結果を2011年9月にタイ・コンケン大学で開催したセミナーで報告し、出席したタイ農業の専門家からコメントを受けた。農工間所得格差のメカニズムを説明するわれわれの研究に対するタイ現地の研究者の意見を聞くことで、推計の精度を高めるための工夫のヒントをさまざま得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
雇用データの収集が困難であったこと、非線形構造推計の改良に予想よりも時間がかかっていることが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに高性能コンピュータを導入した。推計の改良がスムースにすすむことが予想できる。当初計画通りに研究がすすむ予定である。
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Research Products
(1 results)