2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530275
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
山谷 修作 東洋大学, 経済学部, 教授 (00105024)
|
Keywords | 経済的手法 / ごみ有料化 / ごみ減量効果 / 経費削減効果 / 収集委託費 / ごみ有料化の減免制度 / 有料化と危機対応 / インセンティブプログラム |
Research Abstract |
本年度においては、「第4回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」を実施した。全国の有料化都市424市を対象としてアンケート票を発送したところ、年度末時点において200通の回答を得た。そのうち、有効回答は188通であった。今回の調査では、有料化によるごみ減量効果、有料化によるごみ減量に伴うごみ処理経費削減効果、有料化による各種経費減・経費増要因の総合収支、不法投棄件数データ、手数料収益(手数料収入-手数料制度運用経費)の運用方法、ごみ処理状況(可燃ごみ収集運搬事業の直営・委託の別、焼却処理事業の単独・広域処理の別、最終処分場の有無と残余年数など)、各種減免制度の有無などについて、データの提供を求めた。調査回答票の主要な集計作業は次年度に持ち越されるが、今年度において、次の作業を実施した。 1.家庭ごみ有料化制度(有料指定袋制・シール制)のもとにおける減免制度について、全国すべての都市について制度情報を把握し、社会的配慮からの減免措置(経済的困難世帯、おむつを使う幼児がいる世帯などが対象)と、市民によるボランティア清掃活動奨励の無料袋配布に区分(それぞれ略字S、Vで標記)して、研究代表者のホームページに一覧表を掲載した。回答を寄せた200市以外の240余りの市については、すでに情報を把握している約100市を別にして、残り約140市について電話で問い合わせた。これから有料化を実施する自治体が有料化制度の設計を行う際に参考にしてもらえる情報源として、価値のあるデータベースを整備することがてきたと考えている。 2.多摩市において家庭ごみ有料化実施と併用された各種インセンティブプログラムの運用状況とその効果についてヒアリング調査を実施し、経済的手法としてのインセンティブプログラム(古紙以外の資源品目も回収対象とする場合の集団資源回収奨励金の増額、回収拠点における資源物交換市の開催、環境物品がもらえる紙パック・マルチパックのお店への「お返しキャンペーン」、エコショップ加入店に対する指定袋販売手数料の割増制度など)の有効性を確認し、論文にとりまとめた。 3.東日本大震災・大津波で被災した仙台市、東松島市、亘理町をヒアリング・視察調査し、仙台市では家庭ごみ有料化制度と被災対応の関連を確認、有料のプラスチック資源について選別施設が津波で流され、一時有料指定袋制を停止したことなどを把握した。東松島市と亘理町では、市の担当者とがれきごみ処理計画について意見交換、市の案内で被災地域の視察を行った。このヒアリング・視察調査を通じて、家庭ごみ有料化と被災対応の関連性について認識を深めることができた。
|