2011 Fiscal Year Annual Research Report
アジア産業クラスターのイノベーションに向けたキャパシティー・ビルディング
Project/Area Number |
21530276
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
朽木 昭文 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10450446)
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Keywords | 経済発展 / 産業クラスター |
Research Abstract |
本研究の目的は、アジアの典型的な産業クラスター形成パターンの環境を考慮したプロトタイプ・モデルを構築し、それにより実践的な開発戦略としての産業クラスター政策を提言することである。 本研究は、産業集積・クラスター理論の途上国への適用を考慮した分析フレームワークを構築し、それをアジア諸国、ヨーロッパのクラスターに当てはめる。全体の研究項目は、下記(1)~(4)となる。 1。経済理論分析:空間経済学、クラスター理論などのサーベイ、新理論の構築 2.「アジアの典型的な産業クラスターの形成のパターン」仮説の構築 3.仮説に関するアジア各国のケース・スタディーの蓄積(現地調査も含む):アンカー企業と関連企業のクラスター形成:異時点間比較 4.そのヨーロッパのケース・スタディーとの比較 最終年度において、製造業クラスターから「食・観光クラスター」の形成が今後のイノベーション(革新)を起こしていくうえで重要であることを見出した。中国が「転換点」を通過し、経済発展パターンの転換を図った。3か年の研究においてイタリアのナポリ、スペインのバルセロナ、ポルトガルのリスボンでの「観光産業クラスター」を調査した。仮説として、アジアにおける文化的な側面の強化が必要であることを見出した。また、遺伝子工学における「DNA解析」の手法を産業クラスター政策の解析に適用することの可能性を見出した。特に、Hox遺伝子、体節、遺伝子組み換えの考え方が産業クラスター政策を成功させるうえで適用可能である。この点を今後の課題としたい。
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