2011 Fiscal Year Annual Research Report
割引因子が一定でない効用関数を用いたマクロ政策分析
Project/Area Number |
21530277
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
宮崎 憲治 法政大学, 経済学部, 教授 (10308009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐柄 信純 法政大学, 経済学部, 教授 (90286005)
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Keywords | マクロモデル / 逐次効用関数 / 確率的割引率モデル / 準双曲的な割引因子 / シミュレーション |
Research Abstract |
2011年度は過去の文献調査を踏まえ研究論文を作成し、セミナーやコンファレンスで発表し、フィードバックを受けて修正し、英文論文を作成し、それを査読付き雑誌に投稿し、研究成果の公表を試みている。具体的な研究実績は,研究代表者の宮崎が査読付き論文3本、査読付き学会予稿集論文が1本であり、共同研究者の佐柄が査読付き論文2本である。宮崎の査読付き論文は、1)日本経済における平均限界税率を計測し、平均税率や景気循環会計のウェッジとの比較を行った論文と、2)割引率が消費水準に応じて内生的に変化する取引費用のある現金制約のある貨幣モデルについて、インフレと生産高の関係を吟味している論文と、3)Ries(2007)の論文での貨幣中立性になるための条件について反例を示した論文である。また、学会報告も積極的におこなった。自身の発表について適切なコメントを受けただけでなく、最新の研究成果に触れることができた。宮崎が2度の学会報告をおこない、佐柄が5回実施した。具体的に宮崎は5月に熊本学園大学で開催された日本経済学会春季大会、8月にイタリアのペルージャで開催されたInternational Conference On Applied Economicsである。 また本年度は最終年度であり、その成果として、研究代表者が編集した「選好と国際マクロ経済学」を3月に法政大学出版局より刊行した。そのなかで宮崎は3本の論文を執筆し、佐柄は1章執筆した。宮崎の論文は、1)割引率が消費一単位あたりの資産に応じて社会的な規範として変化する取引費用のある貨幣モデルについて、インフレと生産高の関係がこぶ型になることを示している論文、2)マネー・イン・ザ・ユーティリティ・モデルと取引費用モデルについて、内生的な時間選好率をもつ場合の動学的安定性条件を調べた論文と、3)国際貿易における資本財の役割を組み込んだ2本の吉峯論文ついてのサーヴェイである。
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Research Products
(21 results)