2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530283
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
中野 幸紀 Kwansei Gakuin University, 総合政策学部, 教授 (80299049)
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Keywords | 政策シミュレーション / 産業政策 / 知識産業 / エネルギー生産性 |
Research Abstract |
「知識産業分析用IO表」を日本とEUのIO表に基づき学生・院生を指導して開発作成し、日仏両国の知識産業構造の比較分析を行った。この成果は11月のJFR'09にフランス語で発表した。フランス大使館科学部からの参加者を含むフロアから資源開発産業が創造的知識産業に含まれるとした分析結果について質問があり、投入構造の類似性が高い点を指摘しておいた。 「知識集約化に伴うエネルギー生産性分析」については、フランス政府が2006年度から本格的に導入したエネルギー需要管理政策としての「省エネルギー証書制度」に着目し、当該制度に関する文献調査を継続し、11月の環太平洋産業連関分析学会において口頭発表を行った。コメンテータ(東京理科大森俊介教授)から、機器毎のエネルギー効率の改善目標はどのように設定されているのかと質問があった。EUの場合にはCEN、CENELECという標準化機構が標準目標性能を定めてそれをメンバー国政府が準用するという方法がとられていると回答した。 EU環境政策の経済活動への影響の定量的分析モデルはEUの各国産業連関表のうちいくつかの国のSymmetric表が2009年11月までにそろわず、2010年1月以降に再度編集しなおすなどしており、まだ開発中である。 2009年9月に実施したフランス産業連関表作成時における投入係数調査およびSymmetric表への移し替え作業のノウハウに関するインタビュー結果は現在取りまとめ中であるが、不明な点については再度2010年度中に確認する予定である。 また、EU世界産業遺産現地調査を踏まえて、持続可能な知識産業フレームに観光産業を含むことができるかどうかについて検討し、2010年3月に観光庁と山口大学の共催で開催された観光経済・経営会議において口頭発表することができた。観光産業の切り口は今後も発展させることができる重要な分野となるとの感触を得ることができた。
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