2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530284
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
豊田 利久 Hiroshima Shudo University, 経済科学部, 教授 (90030668)
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Keywords | 自然災害 / 復興資金 / 復興政策 / 阪神・淡路大震災 / 四川大震災 / 間接被害 |
Research Abstract |
大災害からの復興過程における復興資金のあり方を研究目的とし、今年度は次の諸点を探求し、それぞれの結果を論文で発表した。 1大規模災害からの復興過程における公的政策の経済学的評価の理論的枠組みを示し、阪神・淡路大震災に適用した。特に、直接被害だけではなく間接被害が大きかったこと、直接被害は建築物や製造業施設に顕著に現れるが、間接被害は長期にわたる目に見えない地域総生産の低下となって現れることを示した。わが国の公的災害復興政策の問題点も示した。 2わが国の災害復興の資金調達がどのような歴史的経緯で制度化されたかを考察し、その特徴と限界を述べ、将来の大災害に向けての二つの新しい資金調達の制度化を提案した。第1は、被災自治体が復興事業を次自主的に実施できるような「包括的復興補助金」や「復興特別債」の創設、第2は、「災害復興臨時特別税」の創設を提案した。 3阪神・淡路大震災と中国の四川大震災における復興政策の比較研究を、現地調査や諸記録・統計に基づいて進めた。双方に学ぶべき点、反省すべき点があることが判明した。 4一つのケース・スタディとして、世界遺産である宮島が平成15,16年に襲われた台風被害の経済的被害額の推定とその復興資金の調達について、現地調査やアンケート調査で研究した。
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