2010 Fiscal Year Annual Research Report
後発工業国企業の成長に関する実証研究-グローバル・バリュー・チェーンの適用
Project/Area Number |
21530285
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
中原 裕美子 九州産業大学, 経営学部, 准教授 (40432843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 桃子 アジア経済研究所, 新領域研究センター, グループ長代理 (30450480)
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Keywords | グローバルバリューチェーン / 後発工業化 / アップグレード / 価値連鎖 / グローバル生産ネットワーク |
Research Abstract |
平成22年度の研究は、グローバルバリューチェーンに組み込まれた後発工業国企業のアップグレードと、バリューチェーンの中の企業間関係の変化に主眼を置いた。 まず、グローバルバリューチェーンに組み込まれた後発工業国企業が研究開発にまで範疇を広げ、またその立地を他国に求めていることにも着目し、台湾企業を中心に中国での調査も行った。その結果、複数国に分散して行う研究開発の成果に否定的な先行研究が多数あるにもかかわらず、台湾企業が中国で開発活動を行っているのは、コスト削減よりもむしろ、中国の豊富な技術者の活用・生産拠点のそばに設置することの利便性・リスク分散といった様々なメリットを求めてのことであること、生産拠点に付随する開発拠点で製品開発を行い、独立した開発拠点では基礎・応用研究を行っていること、経済発展度合いの劣る国の子会社から後発工業国の本社への知識の流れが起こっていることなどが明らかになった。 また、経済危機後の激動する世界経済の中の電機産業のグローバルバリューチェーンにおける企業間関係の変化および後発工業国企業の役割の変化について、研究を進めた。その結果、ネットブック、スマートフォン、GPSなどの機器の普及が、電機産業のバリューチェーン内の企業間関係に変化を生じさせ、後発工業国企業の成長空間を増大させていることが明らかになった。 以上により、グローバルバリューチェーンの中の後発工業国企業のアップグレードおよび企業間関係の変化について、新しい知見を得られたと考える。
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Research Products
(6 results)