2011 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア企業金融における社会的・制度的要素の推計
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21530293
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
奥田 英信 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00233461)
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Keywords | 企業資金調達 / 企業投資行動 / 政府支配 / 外資系企業 / 民族的所有構造 / フィリピン / ベトナム / インドネシア |
Research Abstract |
本研究の目的: 本研究の目的は、「財閥との関係」「民族文化的背景」「政府との緊密さ」など途上国に特有な制度的な諸要素が企業の資金調達と投資活動にどのような影響を与えるのかについて、東南アジア諸国の企業レベルのデータを利用して、計量経済分析を行なうことである。 平成23年度の研究実施計画および研究実績: 平成23度実施計画では、東南アジア企業金融に関する作業結果を論文にまとめること、海外調査や学会報告によって研究結果について専門家と意見交換を行うこと、論文を学術誌に投稿すると同時に成果の一部を書籍などを通じて学生・社会人にも公開することを、主な目標とした。 (1)東南アジア企業金融の実証分析 (1)フィリピン上場企業の資金調達行動、インドネシア上場企業の資金調達行動、ベトナム上場企業の資金調達行動について、途上国に特有な制度的な諸要素がどのような影響を与えるかに関する実証論文を作成した。(2)外国資本による経営権の取得が東南アジア諸国の銀行業にどのような影響を与えたのか、DEAを用いた実証論文を作成した。 (2)学会報告と海外調査 9月にハノイを訪問し、現地金融機関の聴き取り調査とこれまでの研究結果現地研究者との意見交換を行った。また日本金融学会秋季大会(近畿大学、9月)およびアジア政経学会全国大会(同志社大学、10月)でベトナム上場企業の企業経営について報告し、討議と意見交換を行った。アジア債券市場について日本証券学会(日本大学、6月)で報告した。 (3)成果の公開 フィリピン上場企業の資金調達、インドネシア上場企業の資金調達、ベトナム上場企業の経営行動について論文を作成し学術誌に投稿した。タイ債券市場と格付け制度について英文出版原稿を作成した。また、東南アジアの金融構造の変化について、社会人・学生向け書籍に寄稿した。
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