2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア金融システムの規定要因と変容可能性-工業化との相克の観点から
Project/Area Number |
21530302
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三重野 文晴 Kobe University, 国際協力研究科, 教授 (40272786)
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Keywords | タイ / コーポレート・ファイナンス / 金融 / 外資系企業 / 財務データ / 企業分布 / 東南アジア |
Research Abstract |
今年度はこれまでの研究を踏まえた1年目の研究活動として、タイに主な重点をおき、必要なデータの補足収集、新規アンケート調査、聞き取り調査、推計論文執筆を行った。 第1に、既存研究の中でムラのあった上場企業および非上場大規模企業の財務データを追加収集・整備した。上場企業については2002年以降の全データを入手するとともに、非上場企業についても単年で上位1000社までの財務データの収集・整理を進めた。第2に、タイにおける中小企業の金融状況を把握するために、これまでの作業を踏まえて第1段階目のアンケート調査を実施した。機械部品の分野について、外資系、地場系企業のバランスに留意しながら100社のデータ収集に努めた。第3に、タイにおける金融環境の変容を把握するために、タクシン政権以降の金融部門への政策変化に関する試論的ペーパーを執筆し、それを踏まえた現地聞き取り調査を行った。これにより、銀行貸出側に大きな変容があることが明らかになった。第4に、本プロジェクトの基盤的位置づけの研究であるタイ、マレーシアにおける大企業の分布と外資系企業の所在に関する研究を英文、日本文のワーキング・ペーパーとしてとりまとめた。 第4の研究の成果については日本経済学会で研究報告を行った。また、第3の成果に関連して、アジア政経学会の大会から共通論題への招聘を受け報告を行った。 今年度は、足場のあるタイの研究に重点があった。来年度以降は、マレーシアをはじめとしてASEAN4全体に分析対象を広げていくことが課題である。また、証券市場についての分析を拡充していくことも課題である。
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Research Products
(6 results)