2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア金融システムの規定要因と変容可能性-工業化との相克の観点から
Project/Area Number |
21530302
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三重野 文晴 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (40272786)
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Keywords | タイ / コーポレート・ファイナンス / 金融 / 外資系企業 / 財務データ / 東南アジア / 中小企業 |
Research Abstract |
タイ中小企業のアンケート調査については、秋以降の洪水の影響もあり、昨年度、一昨年度の作業のフォローアップに留まった。しかし依然として、研究カウンターパートのタイ商工会議所大学およびバンコク・ジェトロとの協力関係を維持し、今後の本格実施について計画を進めている。マレーシアの調査については、カウンターパートとの連絡打ち合わせをすすめたが、現地調査には実施しなかった。これに代わる形で大規模データベースを購入し、東アジアの比較研究を推進した。 研究の成果としては、東アジア内、特に東南アジア4カ国(タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン)の比較研究に重点をおいた成果をあげることができた。第1に、韓国、タイ、マレーシア、インドネシアの債券市場に関わる論考を出版した。第2に、東南アジア4カ国に共通する国際資本フローと国内金融システムの変容についての総括的な論考を仕上げた。第3に、タイについてはより詳細に、過去10年の経済構造の変化を金融構造の変化の側面に重点を当てて分析した論考を仕上げている。研究の成果は、一橋大学、法政大学の研究集会で報告され、また、各種専門誌、刊行物において発表されている。 また、年初に予定していたミャンマーの証券市場および金融システムについての研究についても、昨年度後半以降、経済支援への関わりが本格化したこともあり、具体的に進捗し、総括的な分析の報告をミャンマー中央銀行主催の研究集会などで行ってきた。この活動は、次段階の研究につながる実績である。
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Research Products
(8 results)