2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける地域通貨単位の役割と可能性:実務的側面からのアプローチ
Project/Area Number |
21530312
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
清水 順子 Senshu University, 商学部, 准教授 (70377068)
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Keywords | 国際金融 / 地域通貨単位 / 東アジア / 資本規制 / 域内金融協力 |
Research Abstract |
平成21年度は、これまでの清水の研究成果の中でも本研究のテーマであるアジア通貨における地域通貨単位の可能性に関わる論文を中心に国際学会で研究報告を行ったが、そのような場でディスカッションすることによりアジアにおいて将来地域通貨単位が果たす役割について実務的な側面から議論する論点を抽出したことが第一の成果であった。具体的には、日本企業が選択する貿易建値通貨を決める要因の一つとして通貨の利便性(取引コスト)が指摘されること、特にアジア通貨については資本・為替取引規制の存在により取引コストが高いために米ドルが主に使用されているが、アジア間での貿易で米ドルが使用されていることにより、日本サイドではドル対円の、アジアサイドではドル対アジア通貨の為替リスクが存在していること、さらに昨今の米国の景気低迷を受けて日本企業にとって最終消費地としてアジアのシェアも近年高まっていることから、アジア通貨のエクスポージャーは年々増大していること、結果として将来的には米ドルに代わってアジアにおける独自の基軸通貨を創設するニーズも高まってくることが期待されることなどが確認された。また、現地調査として訪問したベトナムでは、ベトナム・ドンと米ドルの為替取引が規制されている現状において、ベトナム・ドンが対ドルで切り下げ圧力が強まっていることからベトナム国内ではドル需要が逼迫しており、その結果リーマンショック後は日本企業との取引で円を扱うニーズが生じている、という興味深い事実も確認された。これらの確認事項は、今年度以降の研究で予定されるインタビューなどの質問事項として役立てる所存である。
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Research Products
(4 results)