2009 Fiscal Year Annual Research Report
家族における子の数および教育費の選択と教育政策の役割
Project/Area Number |
21530319
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
釜田 公良 Chukyo University, 経済学部, 教授 (50224647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二神 律子 中部学院大学, 経営学部, 教授 (50190111)
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Keywords | 家族の経済学 / 教育支出 / 世代間所得移転 / 利他性 / 内生的出産選択 / 少子化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,親と子の間のインタラクションを考慮した家族のモデルを構築した後,それを用いて子の数の過少性と教育支出の過剰性が同時に生じるための経済的条件を導出し,さらに,そうした状況下における公的教育政策の役割について検討することにある. 本年度は,われわれの過去の研究を改良し,子の数が外生的に与えられた公的教育を伴わないモデルにおいて,親がきわめて低所得で厳しい借入制約に直面していない限り,私的な教育投資は家族にとって最適な水準と比べて過剰になる可能性があるという結果を得た.さらに,子の数を内生化することによってそれを拡張し,所得水準の異なる各家族において,子の数と子に対する教育投資がいかなる水準に決定されるかを検討している. 具体的には,次のようなタイミングで行われる親と子のゲームを分析している.(1)親が子の数を決定する,(2)親が子の教育投資への援助率を決定する,(3)子が教育投資と借入を決定する,(4)教育投資に依存して子の所得が決まる,(5)親が子への所得移転(遺産)を決定する.そして,家族の厚生を最大化する解と親と子のゲームの均衡解を比較することによって,所得水準に応じて,均衡における子の数と教育投資が家族にとっての最適解と比べて過剰になるのかあるいは過少になるのかを解析的に検討している. さらに,公的教育を導入し,それが教育投資に関する歪み(過剰性)を改善させるかそれとも悪化させるかについて,公的教育サービスの質やその財源調達方法の影響を考慮しながら,検討を行っている.
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