2011 Fiscal Year Annual Research Report
企業活動と金融リスクのリアルオプション評価に関する研究
Project/Area Number |
21530320
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
竹澤 直哉 南山大学, ビジネス研究科, 教授 (70329332)
|
Keywords | リアルオプション / ファイナンス |
Research Abstract |
本年度は企業活動に関する金融リスクを引き続き、ロシアにおける天然ガス開発プロジェクト(サハリン-2)が持つ撤収リスクに関する研究以下の側面から分析を行った。これに加えて、80年代のバブル期において、企業資産を背景に企業が次々と絵画を購入した活動を株価の価格形成と関連付けた論文を出版した。これにより、企業活動と金融資産のリスクを明らかにした。 一方、企業が実践している社会的責任に関する活動とこのような企業の株式ポートフォリオに関する論文もまとめ、国際学会および国内学会で報告を行った。社会的責任に関する活動は、社会的責任投資ファンド(Socially Responsible Investmentファンド略してSRIファンド)へ採用されているかどうかで判断し、これらの企業が持つ金融リスクに着目して分析を行った。SRIファンドによって、スクリーニングされた企業を集めた株式ポートフォリオのパフォーマンスを2008年に起きた金融危機を含む時期についてリアルオプション評価し、これらのファンドが持つ市場の動きとは異なる要因を発見することができた。 最後に、企業が保有する株式資産(リスク資産)と個人消費活動(とくに富裕層の消費活動)の関係に着目をした分析を行った。この研究は富裕層(とくに事業主)が株式を多く保有していることに着目し、その消費活動と株式資産のリスクを明らかにすることで、企業活動を担う事業主の消費活動が企業活動(株式に反映される部分)と連動している可能性について探った論文であり、学会や海外のワークショップで報告を行った。
|