2012 Fiscal Year Annual Research Report
1970年代における国際石油企業の事業構造の再編成-現代世界石油産業の起点
Project/Area Number |
21530328
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
伊藤 孝 埼玉大学, 経済学部, 教授 (00151514)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 原油生産 / 天然ガス / エクソン社 / 国際石油企業 / サウジ・アラビア / アラスカ油田 / 北海油田 |
Research Abstract |
本年度の課題は,第1に,サウジ・アラビアにおいてエクソン社と他の国際石油企業が,新構想「1日当たり2000万バレルの生産体制の構築」の挫折(1973年)を踏まえ,如何なる体制の構築をめざしたかである。生産能力の拡張計画は,確かに縮小を余儀なくされたが,エクソン社などは1974年の秋頃までに,サウジ・アラビア政府の同意も得て,短期間に200万バレル/日の増加を実現した。これにより全体の能力は1120万バレル/日に到達したのである。これ以降は大きな拡張はなく,70年代末まで基本的にはこの体制を維持した。「石油危機」(1973年)以降の世界的な石油市場の低迷もあり,この生産体制でエクソン社は,西ヨーロッパなどで必要とする原油をほぼ充足する事が出来たのである。 第2の課題は,新開油田であるアメリカのアラスカ,およびヨーロッパの北海においてエクソン社が直面した困難とその打開についてである。まず,アラスカでは,原油の生産(1977年)において不可欠の要件となった原油の供給先・販路の確保が大きな課題であった。エクソン社は,アメリカ西海岸,およびメキシコ湾岸への供給などによってこれらを可能にした。これは,1978年頃からの国際的な原油価格の高騰を背景に,アラスカ原油が価格面での優位性を獲得したことによるものである。次に,北海では,エクソン社は,主力油田ブレントの開発において,原油に随伴して産出され,原油の増産を抑制する作用をした多量の天然ガスを如何に処理するか,の課題に直面した。これは,イギリス・ガス公社へのガスの大量販売によって基本的に打開された。但し,実際の販売は1982年5月からであり,ブレントでの大規模な原油生産はこれ以降のことであった。 以上の研究成果は,これまでの諸研究では全く未解明の事柄であり,この分野における独自の貢献という事が出来る。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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