2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国、米国、日本の政府資料に見る中国東北経済の戦後復興
Project/Area Number |
21530340
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 俊郎 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (70135929)
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Keywords | 中国東北 / 満洲 / 戦後復興 / 1950年代 |
Research Abstract |
以下の4点について取り組んだ。 (1)吉林省档案館資料の整理 2009年8月の現地調査とその後の資料収集によって入手した中国吉林省档案館の所蔵資料を整理した。具体的には『中華人民共和国時期档案』に含まれる資料グループ「吉林省重工業庁」(1950-84)と「吉林省軽工業庁」(1956-80)について、1950年代に時期を絞って目録を作成し、その特徴を整理した。1950年代の吉林省で進められた工業再建についての档案資料は、管見の限り、日本の研究者に対してこれまで公開されてこなかった。 (2)張公権文書に収録されている東北生産管理局の資料に焦点を絞り、国民党政府が長春地区で接収した企業について情報を整理した。 (3)外務省アジア局中国課が1950年代に行った中国情勢に関する同時代的分析の報告資料を収集した。 (4)満洲引き揚げ者ならびにその親族から史料を提供してもらい、また聞き取り調査を行った。 档案館資料の整理については成果の一部を、政治経済史学会中四国部会総会において「吉林省档案館所蔵の1950年代に関する工業問題資料について」と題して報告した(2010年5月)。また収集した資料の一部を用いてシンポジウム〈満洲研究のフロンティアを求めて-『「満洲」の成立』を手がかりとして〉(大阪大学中之島センター・佐治敬三メモリアルホール)におけるコメント「中国東北史研究の分析射程」を行った(2010年7月)。聞き取り調査の成果の一部については「吉田廣作メモランダムについて」(『岡山大学経済学会雑誌』第42巻第4号、2011年3月)として公表し、メモランダムについては編集、製本の上、岡山大学の図書館に保存した。
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Research Products
(3 results)