2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530353
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
咲川 孝 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80272805)
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Keywords | 戦略的人的資源管理 / 文化 / 製造方式 |
Research Abstract |
23年度は、それ以前の過去2年間において、科学研究費にて助成された研究についてのすべての調査結果をまとめた。この研究成果を海外、国内での学会にて報告をした。具体的な研究成果は以下の通りである。 中国、東南アジア(マレーシア、シンガポール)の製造企業を対象として、その調査を実施した。アンケート調査によって、参加企業の製造チームから、HRMの慣行、製造成果、製造方式などのデータを得た。その調査にて得たデータと、2007~2008年度科学研究費・基盤研究(C)「工場組織とその競争優位に関する研究-戦略的人的資源管理の観点から-」にて日本の製造企業から得たデータとを結合をして、異なる国の環境(特に、国の文化)が、HRMの慣行に影響を及ぼしているかを分析した。主たる調査目的は、異なる国の環境が、特定の製造方式(例えば、チーム型生産、あるいはセル生産)に密接に関連している、特定のHRMの慣行(例えば、多能工の育成、チームワーク)の実施に影響を与え、その製造方式のもとで高い、低い成果(例えば、生産性)が得られるかを明らかにすることであった。統計学の用語を利用すれば、国、HRMの慣行、製造形態との問の3方向の交互作用(three-way interactions)が、製造成果に影響を及ぼすかを明らかにすることであった。分析の結果、この3方向の交互作用が確認された。 企業の国際化とともに、戦略的人的資源管理(SHRM)研究も他のマネジメント研究のように、最近、新たな展開を示している。つまり、SHRMの研究を1国でなく、複数の国の間で実施するようにという要求があり、国際的SHRM(International SHRM)研究という新しい分野が生まれつつある。私の研究は、このような要求に応えた。 この調査結果に加えて、過去の私の研究結果をまとめて、それを将来、出版しようとしている。
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