2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530362
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
児玉 充 日本大学, 商学部, 教授 (90366550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 友厚 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (10380205)
所 伸之 日本大学, 商学部, 教授 (90237082)
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Keywords | イノベーション / 戦略経営 / 共進化 / 戦略提携 / 複雑系 |
Research Abstract |
本年度の研究の成果は複数の事例研究を通じてビジネスモデルにおける共進化のフレームワークを導出した点である。本研究では共進化の概念を「ソーシャルエコロジー」、「社会学」、「複雑系」、「弁証法」という4つの理論研究のストリームから共進化のメカニズムを理論化した。特に理論の中核を構成するのがHegelやMarxなど代表的な哲学的思考であるである「弁証法的パースペクティブ(dialectic-view)」が共進化理論の原点であることを明らかにした。 1つの企業は単一産業における構成員としてだけではなく、多様な産業にまたがる1つのビジネスエコシステムの一部として捉えられている。このようなシステムでは、組織や企業は様々な個人や組織による相互作用を通じて支えられたコミュニティに相当する。そしてこのコミュニティは、顧客(自企業に対するベンダー、パートナー、法人顧客、競争相手など)にとって価値ある財やサービスを生産するが、顧客自身もまたこのコミュニティのメンバーとなる。そしてこのコミュニティ内でのメンバー(企業群)は自身の能力や役割を共に進化させ、1つあるいは複数の中心的企業が指し示す方向に沿って自分たちの活動を展開していく。その中でリーダーシップを発揮する企業は時間と共に移り変わることもあるが、ビジネスエコシステムのリーダーとしての役割はコミュニティにとって高く評価され続けることになる。 このようなダイナミックなビジネスエコシステムの関係性の中で、多様な実務家、組織、企業、産業を横断したコミュニティにおける「弁証法的思考と行動」が「弁証法的経営」を促進し、共進化のアナロジーを「ソーシャルエコロジー」に組み込んだ「複雑系システム」としての「ビジネスエコシステム」を形成していくことを理論的に提示した。
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Research Products
(1 results)