2009 Fiscal Year Annual Research Report
エンターテイメント産業における人材育成と事業システムに関する研究
Project/Area Number |
21530370
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
西尾 久美子 Kyoto Women's University, 現代社会学部, 准教授 (90437450)
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Keywords | エンターテイメント産業 / 人材育成 / キャリア / 興行システム / 宝塚歌劇 / バレエ / 花街 |
Research Abstract |
平成21年度前半は、国内の複数地域の花街や宝塚歌劇など著名な日本のエンターテイメント産業の現場における人材育成参与観察と文献研究を実施し、技能育成の学校制度が整備と指導者と被指導者との緊密な関係性の中での育成が併用され現代に継続していること、また社会環境の変化に応じて教育の制度や期間が変革されていることを明らかにした。そのため若者が主体的にキャリア形成を円滑にできる人材育成がされおり、さらに、技能育成に応じた発表の場が興行の過程で担保され、若手人材の育成のプロセスを顧客が楽しみかつ収益につながる仕組みとなっている興行システムの存在が、京都花街と宝塚歌劇に共通してあることを発見した。 国内の調査と並行して、平成21年度後半に国際比較調査の準備を進めるための予備調査や文献研究をすすめ、400年近く伝統のあるイタリアのバレエの業界の人材育成と興行システムについて2月に調査を実施した。イタリアのバレエ産業における人材育成は学校制度によってなされているが、日本のエンターテイメント産業と同様に、若手の技能育成の過程に応じて劇場での興行に参加する機会があり、人材育成と興行システムが連携をもっていることが明らかになった。 平成21年は論文1件、学会発表1件、合計2件の実績をあげた。エンターテイメント産業の技能形成に関して多様な立場の利害関係者が指導者として関与し、新人や中堅、ベテランに応じてプロジェクトチーム制に基づき技能発揮をしながら、キャリア形成がなされることを発見事実として論文にまとめ、創立100年を迎えようとしている宝塚歌劇団を事例としたエンターテイメント産業に関する人材育成と事業システムについての研究成果を学会で発表し、研究蓄積の乏しい日本の固有のエンターテイメント産業における人材育成とビジネスのイノベーションに関して新しい知見を公表した。
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