2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本的経営と企業価値経営の融合に関する実証研究:ハイブリット型日本的経営の探求
Project/Area Number |
21530371
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松村 勝弘 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (40066733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛田 努 熊本学園大学, 会計専門職研究科, 准教授 (60435154)
篠田 朝也 北海道大学, 経済学部, 准教授 (50378428)
田中 伸 立命館大学, 経済学部, 非常勤講師 (60413556)
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Keywords | 日本的経営 / ハイブリッド型日本的経営 / 企業価値経営 / コーポレート・ガバナンス / 外国人投資家 / 年功序列 |
Research Abstract |
企業価値経営とは資本市場を意識した経営,株主重視の経営を意味するが,これが従来の従業員その他利害関係者重視の日本的経営の弱点を克服するものとして提言する向きが,国内においては近年多く見られた。だが,海外では,日本企業が日本的経営の長所を残しつつも,株主重視型の経営様式を取り入れた新たな日本的経営へと移行し,急激な環境変化に対応しているとの指摘も見られる。いわばハイブリッド型日本的経営への移行である。 本研究は,そうしたハイブリッド型日本的経営が日本企業においていかに効果的に実践されているのか、それは本当に行われているのかを,アンケート調査やインタビュー調査などの実態調査と,財務データを用いた計量的な実証分析を行おうとした。初年度に基礎的な研究会を行い、そこでの知見を基に、アンケート項目を作成発送し、翌年に集計し、これにもとづいて研究会を開いて研究を深め、これを学会などで発表し、学会からの意見を得、さらに、インタビューにより研究を深めるというのが、大まかな研究計画であった。 アンケート結果を集計し、これをSPSSによる非階層クラスタ分析を行なった結果、かなり興味深い結果を得ることができた。日本企業は従来型の経営を行いつつも資本市場の動向を意識した行動をとっている、比較的多くの会社と、それほど行動を変えていない会社、外部の動向に左右されない会社の3類型を得ることができた。これをもとに、日本財務管理学会での学会報告を行うと共に、研究論文としてこれを『年報財務管理研究』に投稿し掲載が認められた。さらにその結果を深めて、別途紀要(『熊本学園会計専門職紀要』)に発表するなど、一定の成果を得ることができた。ただし、当初計画していたインタビューは、行なったものの、必ずしも十分とはいえず、整理し切れていない。さらに研究を深める必要があることが分かった。この点は平成24年度~平成26年度科学研究助成金申請を行ない、それが認められたので、なお継続して研究を深めることにしている。
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Research Products
(2 results)