2010 Fiscal Year Annual Research Report
自動車メーカーのクロスボーダー工場ネットワーク戦略と産業クラスター
Project/Area Number |
21530388
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古川 澄明 山口大学, 経済学部, 教授 (10148992)
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Keywords | 産業クラスター / 自動車産業クラスター / 広島地域 / 東部ドイツ / 産官学 / 自動車メーカー / 自動車部品メーカー / 次世代自動車 |
Research Abstract |
(1)日本産業クラスター調査・研究-中国5県、とりわけ広島地域を中心として形成される産学官の関係者・関係機関は、自動車産業分野を含む産業クラスターの形成による地域産業の発展を追求する広域的なネットワークを組織しており、それを調査・研究の対象にして、その構造と機能、産業クラスターの「凝集力」の実相について、検討した。広域的なネットワークは、その中核をなす「中国地域産業クラスターフォーラム」が組織され、フォーラムの事務局を二つの推進組織(財団法人ちゅうごく産業創造センター及び社団法人中国地域ニュービジネス協議会)に置いている。ネットワークには、経済産業省経済産業局、関係各県外郭団体である産業振興機構、関係企業、学術機関・学術関係者、シンクタンクが参加する。本研究では、上記関係機関と連携して各種ゼミなーに参加し、調査・議論に協力すると同時に、ネットワーク構成機関の機能と役割を検討した。この取組は、日本型クラスターの特徴を解明するための予備的作業としての学術的意義をもつ。産業クラスターの「凝集力」の実相を解明するために、重要な取り組みである。 (2)産業クラスターに関わる新事業領域の調査・研究-自動車産業クラスターとして組織される産官学の広域的ネットワークでは、次世代自動車の開発・製造・販売に関わる取組が多様な次元で行われている。そこで、自動車メーカーによる開発・製造、部品サプライヤーによるベンチマーキングや新技術開発、行政や外郭団体による革新的事業の奨励、学術機関等により新技術提案等に関する動向と、それらを推進する関係機関の取り組みを調査した。さらにフォーラムに参加して情報収集を行い、また各種セミナーに参加して最新技術動向を把握することに努めた。それらの学術的意義と重要性は、産業クラスターの原動力となるイノベーションとその主導力の実相を明らかにするところにある。 (3)ドイツ自動車産業クラスターに関する研究-対象とする東部ドイツ自動車産業クラスターについて、自動車産業クラスターの「共通行動プラットフォーム」とされる「東部ドイツ自動車産業クラスター」(Automotive Cluster Ostdeutschland e.V., ACOD)について、資料研究を行った。
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