2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイテクスタートアップの「起業プロセス」に関する研究
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21530391
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
五十嵐 伸吾 Kyushu University, ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 准教授 (00403915)
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Keywords | 起業機会 / ハイテクスタートアップス / 起業プロセス / 機会発見 |
Research Abstract |
国内の研究は2種類の研究を実施した。1つめは、日本ソフトウェア系のスタートアップを対象とする継続研究で、前年度に国内で1200社に質問票を送付し98社から回収済みであったので、本年度はソフトウェア産業の成長率との起業数の相関分析、windows95の登場等明確なイノベーションと起業家の起業機会として認識との関係などを捕捉的なデータと組み合わせた上で詳細な分析を行った。2つめはアルプス電気の盛岡工場からのスピンオフ企業を調査するもので対象40社に対して、9月、11月、3月と17社の訪問調査を実施した。これに加えて、同社の盛岡工場以外のスピンオフ、創業せずに転職した者等3件を比較調査のためにインタビューを行った。その結果、スピンオフは起業時期によって大きく2グループに識別でき、第一期の創業者は高卒で生産担当者が多く加工、製造業系の企業が多く、第二期は大卒でR&D担当者が多く技術開発型の企業が多かった。共通点は両者ともにアルプス電気に在籍時に複数の職務に挑戦していた経験を持つことであった。第一期で製造・加工系の企業が集積したおり地域の環境が土地乗っていたこと。加えて、アルプスOBの起業家たちの大半が少なくとも生存していたことが、第二期の起業を促していたことが見出せた。 国外研究に関しては、インド系を中心とする世界規模の起業家ネットワークTiE (The Indus Entrepreneurs)の協力を得てシリコンバレーの3社の訪問調査を実施した。また、9月には次年度の調査の前段としてインド工科大学(IIT)デリー校、ジュピー情報技術大学の研究者を訪問、現地の予備的な調査を実施した。そこから、デリーのソフトウェア系のスタートアップスの支援する業界団体の存在を確認し、調査の土台を築いた。
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