2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域大学に有効なインクリメンタルイノベーションのマネジメント手法の開発研究
Project/Area Number |
21530392
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松尾 純廣 Oita University, 経済学部, 教授 (50181699)
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Keywords | イノベーション / インクリメンタル / 汎用技術 / 地域大学 / サプライヤー / 中間技術 / BtoB市場 |
Research Abstract |
平成21年度の研究課題:地域大学に有効なインクリメンタルイノベーションモデルの開発 地域大学と大手企業のサプライヤー(中小企業)とのパートナーシップを考慮し、「B to B」市場(Value Chainあるいはサプライチェーン)、「中間技術」(基盤技術と先端技術の間の技術)をベースとしたタイプについてその効果を含めてモデル化することを課題とした。その研究成果は大きくは以下の2点である。 1 技術-製品-市場(商品)の関係。「先端技術にもとづく製品が必ずしも市場に受け入れられる訳ではない」逆に「主として汎用技術(既存技術)にもとづく製品であっても市場に受け入れられる」ということを明らかにしたことが第1の成果である。これは、先端技術-ラディカルイノベーションに偏りがちなイノベーションの理解に対して汎用技術-インクリメンタルイノベーションの固有の意義についての根拠を与えるものであり、クリステンセンの「破壊的イノベーション」の見解を別の視点からより発展させる意義を持つと考える。 2 上に関連して技術一製品の関係。問題となるのは、例えば90%の汎用技術と10%の先端技術の組み合わせにもとづく製品開発という関係、つまり大学が10%の先端技術を提供する関係である。こうした結果世に出た「画期的な製品」というのは少なくない。逆に、「ラディカルな技術」が先端技術100%の技術という意味ならば、そうした技術にもとづく製品は実際にはほとんどないことを明らかなったことが第2の成果である。これは、市場に受け入れられる製品(商品化)のレベルでは大部分汎用技術にもとづく製品が「イノベーション」につながっていることを明らかにするとともに、従来の新製品とイノベーションの関係について新たな視点を提供し(1)を補足する意義を持つと考える。
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Research Products
(3 results)