2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国の日・韓・独・民族系乗用車とトラックメーカーの競争戦略と研究開発システム
Project/Area Number |
21530397
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
朴 泰勲 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 准教授 (50340584)
|
Keywords | モジュラー型製品の差別化 / 中国のトラック産業 / 組織間システム / 自動車メーカーの競争戦略 / 組織間協同 / 競争戦略 / 1次と2次部品メーカー / 日韓中独の自動車メーカー |
Research Abstract |
中国の自動車産業は成長が続いている中で、民族系と外資系の市場シェア争いが激しさを増している。そこで、自動車メーカーと部品メーカーの間の効率的組織間協業が競争優位を獲得できる重要な手段として注目を集めている。2011年度の研究では中国自動車産業における組織間協業の形態とその主要な形成要因がどのように異なるのかという課題を設定した。中国の民族系自動車メーカーとして吉利自動車、外資系自動車メーカーとして天津トヨタ、北京現代、一汽フォルクスワーゲンを取り上げ、論文を執筆し、商学論纂に発表した。この論文では中国の民族系自動車メーカーである吉利がどのように研究開発をしているのかを明らかにしている。中国の民族自動車メーカーはモジュラー型製品開発を進めており、製品の統合性を重視する外資系自動車メーカーとは異なる戦略を進めていることが明らかになった。 韓国系自動車メーカーである現代自動車と起亞自動車はトヨタと異なり、製品の統合性を重視する開発協業体制を進めているものの、生産では分業体制を構築していることが明確になった。ドイツ系自動車メーカーであるフォウルクスワーゲンは欧米流のexit型組織間取引をしつつ、開発では統合性の高い協業型組織間協業を、生産ではモジュラー的な分業体制を進めていることが分かった。中国における日・韓・独・民族系乗用車の競争戦略と研究開発システムを相互比較し、その戦略的なインプリケーションを明らかにしている点において今年度の研究は研究実施計画に沿ってある程度目標を達成できたと評価できる。また、国際学会であるAIBのconference proceedingsに掲載が確定し、その内容をワシントンDCで報告する予定である。さらに、アンケート調査で回収されたデータをベースに統計分析の論文を執筆中である。
|