2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21530400
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
明石 照久 Prefectural University of Kumamoto, 総合管理学部, 教授 (50438313)
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Keywords | 人的資源 / 組織 / 日本的経営 / 職員研修 / 地方自治地体 / エスノグラフィー / 質的研究法 / 組織活性化 |
Research Abstract |
行政組織、キャリア、人的資源、組織論などに関わる文献の調査を行った。特に文化、歴史の側面に着目し、日本史、日本政治思想史、建築史、宗教史、法制史など関連する多様な分野の文献にも幅広く目を配るように努めた。方法論の面では、エスノグラフィーを中心に質的研究法に関わる文献に当たるなど、本研究の方法論的な足場を固める作業を行った。 フィールド調査としては、熊本県庁職員、九州電力社員などを構成メンバーとする研究会を立ち上げ、具体的な事例データの収集に取り組んだ。この研究会では毎月1回~2回の例会を実施し、SECIモデルをはじめとする組織に関わる理論の学習に取り組んだほか、各メンバーから県庁、九州電力などの事例を報告してもらい、組織における人的姿源活用方策に関わる事例データの収集・整理に努めた。さらに福岡市、神戸市、兵庫県、岡山市など地方自治体を訪問し、職員研修・組織戦略などに関するインタビュー調査を行った。この調査は、平成22年度に実施予定のアンケートの分析視角を確立するために不可欠の調査であり、今後の研究の方向性を明確化させるうえで大いに役立った。 平成22年3月20日には熊本県立大学においてシンポジウムを開催し、神戸大学大学院経営学研究科の加護野忠男教授をお招きし、「日本的経営の精神」をテーマに講演をしていただくとともに、県庁職員、地元企業関係者などをパネリストとするパネルディスカッションを実施した。日本の経営学研究をリードする研究者の一人である加護野教授の講演とそれに引き続くパネルディスカッションは200名を越える参加者を集め、成功裏に終了した。とかく自信を失いがちな現代日本にあって、日本的経営の精神を取り戻すことに組織活性化のための大きなヒントがあることを示したこのシンポジウムには大きな意義があったと考えている。
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