2011 Fiscal Year Annual Research Report
多様な人材をいかすリーダーシップ -ポジティブアクションを組織成果にむすびつける
Project/Area Number |
21530413
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷口 真美 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (80289256)
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Keywords | 経営管理 / 集団・リーダーシップ / 企業経営 / 経済・労働 / 人事 |
Research Abstract |
事業環境のグローバル化に伴い、多様な人材をいかすことが企業の持続的競争優位獲得の上で重要になってきている。多様な人材をいかすリーダーシップ解明のため、本研究は、次の点を明らかにすることを目的とした。 1)ダイバシティ環境下における有効なリーダーシップを発揮できるリーダーの特性・行動要件 2)ダイバシティ環境下において、効果的なリーダーシップを発揮する人材の育成プロセス 3)ダイバシティ環境下において、効果的なリーダーシップを発揮する際の組織づくり・職場づくりのポイント 本年度は、引き続き、既存の調査研究のサーベイ、リーダーへのヒアリング調査、欧米の研究者や実務家との意見交換を実施しながら、研究成果の統合を行った。その結果、次のようなことが明らかになった。 企閑経営のグローバル化に伴い、ビジネス環境の複雑性の度合いが増してきている。その中でうまく変化に対応し、業績を向上させているミドルリーダーの特性・要件は、従来の「変革型リーダーシップ」論の要件とは個別のものであった。また、多くの日本企業では、ダイバシティをいかすということが、平等な機会を提供する倫理目的で行うもの、経営合理性追求のために行うものとが、識別できていない。いまだ混同されたままである企業では、管理職に対する、多様な人材をいかすリーダーシップの開発と発揮のネックになっていた。 「人材の多様性に取り込めば、自然発生的に多様性による効果が現れる」と実務家たちが考える中で、McKayら職場風土研究者たちは「職場の多様性に対して、公平性・多様性尊重の風土があってこそ多様性の効果が得られる」という実証結果を示していた。さらに今年度の調査により「業務上の意思決定に多様性を活用する風土」が重要である点を既存研究に加えた。
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