2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代半導体におけるイノベーション戦略における研究
Project/Area Number |
21530421
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山口 栄一 Doshisha University, 総合政策科学研究科, 教授 (30367974)
|
Keywords | 逆ロードマップ型 / 技術予測 / イノベーション戦略 / 窒化物半導体 / 環境負荷 |
Research Abstract |
環境負荷を最短時間で最小化するという「エコ・イノベーション」にプライオリティを置くことをめざして、既存産業の経済制約に捉われずに地球環境にとって理想的な未来目標を設定し、未来から現在に向かって戦略線を引くという方法によって、次世代半導体としてのIII族窒化物半導体技術の産業発展の課題を克服を調べ上げる研究に着手した。 平成21年度においては、次世代半導体技術が(1)照明産業、(2)無線通信産業、(3)エネルギー産業のそれぞれにもたらすExemplarの妥当性および潜在的なExemplarの可能性を見つけ出し、「あるべき未来」のビジョンを描き出すとともに、既存の産業(とくにサプライ・チェーン)の課題を洗い出した。とくに、 (a)学術文献データベースによって、次世代半導体研究の最前線をつねに観測し続けるとともに、論文を読み込んで、この領域におけるトップ拠点がどこであるかを分析した。 (b)III族窒化物半導体の物理学・応用物理学にかかわる国際会議および国内学会に出席し、研究の最先端の動向を調査するとともに、学会参加者にインタビューしてExemplarを詳細に見出し、かつその事業化までの距離の観測を集約した。 (c)次世代半導体研究と開発は、世界のトップ拠点研究機関における主要なテーマであるとともに、いまベンチャー企業が活発に事業化を行なっているビジネス領域である。しかも、上流の結晶成長がコモディティ化していないので、下流のデバイス産業がリスクを感じて事業化に踏み切れないでいる。そこで、世界の主要なトップ拠点、世界のベンチャー企業、下流のデバイス企業へのインタビューを実施し、律速プロセスの微細構造を明らかにすることに看手した。
|