2010 Fiscal Year Annual Research Report
自治体マーケティングの体系と地域ブランドに関する研究
Project/Area Number |
21530436
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
矢吹 雄平 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (60299170)
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Keywords | マーケティング / 自治体 / 地域 / ブランド / 地域ブランド / ネットワーク |
Research Abstract |
本年度は、単著『地域マーケティング諭』(有斐閣)を刊行した(2010年12月25日)。具体的には、地域における様々な主体による各々の"順客"の問題解決行動等としての各種マーケティング(含:概念拡張された、非営利組織・場所・社会変革キャンペーンの各マーケティング)のネットワーク化(情報共有・調整・共創を[地域マーケティング]と捉えて,その論理と体系を明らかにすることを通し([マーケティング・ネットワークの地域〈包括〉モデル]),地域経営論の新地平を切り開くことを試みた.そして,その「地域経営の新地平」の先にあると目される,「自らが自らを治める」という意味での自治や市民社会の確立へ繋がる道程を提示した. 上記の著書で、「地域価値の向上」を最終的な成果、「地域ブランド」を中間的な成果とする地域経営論は,マイクロ(人々が自立・主体化するための、個人レベルの心のマネジメント)・ミクロ(各種地域経営主体による組織レベルのマネジメント)・マクロ(ミクロ・マネジメントの集積としての地域レベルのマネジメント)の3重層構造を有している。そうした中で、(1)「(ポテンシャルも含めた)経営資源の相対的な優位性」、(2)「成果変数に関する全体最適の点の強さ」、(3)「成果の分配に関する理念的・権限的公平性の具有」、(4)「(消極的には)地域経営の最終的な責任の拠り所」という4点から"マーケティング・ネットワーク"構築の"究極的なネットワーカー"の役割を果たすべき自治体が、今後如何なるマーケティングを展開してゆくべきかを明らかにすると共に、改めてその研究課題の整理を行った。
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Research Products
(2 results)