2011 Fiscal Year Annual Research Report
リレーションシップ・マーケティングのための多次元的コミットメントモデルの発展
Project/Area Number |
21530441
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
久保田 進彦 東洋大学, 経営学部, 教授 (10340184)
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Keywords | リレーションシップ・マーケティング / コミットメント |
Research Abstract |
本研究は期間中(3年間)に、(1)交換相手との感情的な結びつき(感情的コミットメント)の形成メカニズムを検討すること、(2)この検討結果を反映させたモデル(修正版多次元的コミットメントモデルないしは新たな補完的モデル)を構築すること、(3)このモデルをB-to-B関係において経験的に検証することを目指しているが、本年度は(3)を中心に研究を行った。 昨年度構築した仮説モデル(拡張要因モデル)を検証するために、B-to-B関係およびB-to-C関係を対象に行ったサーベイ調査データの分析と解釈を行った(サーベイ調査そのものは昨年度末に行っている)。 スポーツクラブ、美容院、組織間リレーションシップを対象とした調査データを分析したところ、いずにおいても仮説モデルの妥当性を支持する結果が得られた。またこの分析結果から、組織アイデンティティを駆動力とすることで、顧客と組織境界者の相互作用が希薄な状況においても、リレーションシップ・マーケティングを実践しうることが明らかになった。 今日の消費サービスでは、いわゆる「サービスの工業化」(機械化とマニュアル化によるサービス運営の効率化)が非常に進んでいる。そこでは各種機器の導入、業務内容のマニュアル化、そしてシフト制アルバイトによる業務運営によって、特定スタッフとの人的相互作用は極めて少なく抑えられている。またインターネットを活用した情報サービスにおいても人的相互作用は極めて少ない。本研究において構築されたモデルは、このような今日的環境におけるリレーションシップ・マーケティングの展開に対して深い示唆をあたえるものである。 なおこれらの結果は、研究代表者の学位論文へ反映されることになった。
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