2009 Fiscal Year Annual Research Report
広告に対する誤認発生メカニズムの解明と防止のためのガイドラインに関する研究
Project/Area Number |
21530443
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
竹内 淑恵 Hosei University, 経営学部, 教授 (40366828)
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Keywords | 広告コミュニケーション効果 / 広告への誤認 / No.1表示 / テキストマイニング |
Research Abstract |
広告など企業からの情報提供やコミュニケーション活動は、自社ブランドの優位性をアピールするものであるが故に、デメリット表示が消費者にとってわかりにくく、例えば、顧客満足No.1や売上実績No.1など、実際の広告活動で多用される「No.1表示」は「優良誤認」を発生させる可能性がある。そこで本研究では、No.1表示に着目し、広告誤認がいかなる要因により発生するのか、また、未然に防ぐための方策を検討する。 研究初年度として、通信販売を主な流通経路とする健康食品、化粧品、自動車保険などの製品カテゴリーの新聞広告を用い、メインターゲットである主婦(30代~50代)を対象に、デプス・インタビューを実施した。具体的には(1)広告接触時にどのような情報処理をしているのか、また、その理由、(2)当該ブランドに期待するベネフィットと知覚するリスクはなにか、(3)誤認発生の有無と、なぜ誤認したと思うか、また、具体的にどのような要素が引き金になったかなどを聴取し、No.1表示への反応、広告への理解、ブランドへの態度、購買意図の形成について実態の把握を行った。 その結果、(1)購買経験のある製品カテゴリーに対しては、すでに学習し、知識があるため、情報処理の方略は簡単であり、(2)新成分などの表示が、仮に数値によって保証されている場合でも効能効果に対する期待は大きくない。また、現使用ブランドに対する満足感があれば、ブランドスイッチへのリスクを感じる。(3)健康食品や化粧品など、主婦にとってより身近でなじみのある製品カテゴリーでは、No.1表示によって広告への態度やブランドへの態度が大きく影響されることはないが、サービス財であり、自分一人で購買の意思決定をくだせない自動車保険の場合には、No.1表示が購買を検討するきっかけとして作用する。ただし、No.1表示に対する但し書き表示は文字の大きさが小さく、またレイアウト上、No.1表示と離れていることも多く、正しく理解されていないことが判明した。
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Research Products
(1 results)